そろばん史年表

(「雲州そろばん」パンフレットより抜粋しました。青色文字は雲州に関する出来事です)

西暦 元号 出来事
1572 元亀 3 そろばんが明国より初めて渡来
1592 文禄 元 文禄の役に従軍した前田利家が、肥前名護屋の陣中で使用したそろばんが現存
1622 天和 8 毛利重能 「割算書」を著す
1627 寛永 4 吉田光由 「塵劫記」を著す -現存最古の珠算書-
1727 享保 12 この頃、大津そろばん盛況
1787 天明 7 雲州亀嵩に「雲州そろばん」創始者 村上吉五郎が生まれる(明治9年没)
第一期 : 雲州そろばん草創期 (名人芸時代)
1832 天保 3 最古の「吉五郎」銘の現存そろばんが作られる (46歳作)
雲州そろばんロクロ改良者 高橋常作 横田に生まれる (明治21没)
1841 天保 12 雲州そろばんの地場産業確立者 村上朝吉 横田に生まれる (明治21没)
1849 嘉永 2 政右衛門銘のそろばん第一号 (二代 吉五郎)
1854 安政 元 郡内に寺小屋が急増する (特に横田に多かった)
吉五郎創始の足踏みロクロによる珠削り方法を、常作ははずみ車付き足踏みロクロとし、能率を上げる
第二期 : 雲州そろばんの地場産業草創期
1872 明治 5 小学教則で算術は洋算を採用し、和算を廃止する
この頃、朝吉は珠削りに手廻し式ロクロを完成し、その技術を公開伝授する
横田に職人が急増する
1875 明治 8 横田村(現横田地区)の生産
- 職人数 約20人
- 生産数 (年間)3000丁 : (月)170丁 :月ひとり当たり平均9丁
- 主な職人 高橋常作、村上朝吉
この頃、大阪より糸原儀兵衛(天保8年〜明治44年・堀江そろばんの創業者)来たる
三成礼四郎(嘉永4年〜大正8年)唐木を移入する
1879 明治 12 村役場が置かれる
第三期 : 雲州そろばん 行商を始める 雲州そろばん製作技法を取り入れ播州に生産革新起こる
1887 明治 20 全国地押(土地)調査始まる
差海商人(島根県簸川郡湖陵村)によって西日本へそろばんの行商始まり 「雲州そろばん」の名声高まる
1889 明治 22 市町村令施行 : 銀行・会社んも創立しきりと相次ぐ
1890 明治 23 小学校令で尋常小学校で筆算と珠算の併用が決まる
この頃、上田貞蔵(明治4年〜昭和3年)によって雲州そろばん製造技法が大阪に伝搬される
1893 明治 26 松浦久次郎(明治4年〜昭和3年) (玉算堂創始者)、面曽善次郎(文久3年〜昭和14年)行商を専門に始める
1902 明治 35 横田から大阪へ出ていた日野は雲州堂を創立する
仁多郡治一般(群役所発行統計書)によれば
- 横田村(現横田地区):生産数2780丁・職人14戸・一戸平均年200丁(一丁40銭)
- 亀嵩村(現亀嵩地区):生産数720丁・職人4戸・一戸平均年200丁
1904 明治 37 国定教科書(黒表紙)使用始まる
1907 明治 40 この頃、藤木吉松(播州そろばん中興者) 大阪より雲州そろばん製造技法を修得して帰り、播州が興隆する
第四期 : 阪神商法も見習った雲州そろばん商法盛んとなる
1909 明治 42 問屋 妹尾商店そろばん部開店
問屋 雲州そろばん卸商松浦面曽合名会社設立
八雲そろばん発売元 堀江為右衛門商店設立ほか数社
1912 明治 45 森脇新市 朝鮮に行商する(そろばんでは第一号)
第五期 : 阪神へも進出して活躍する雲州職人
1915 大正 4 横田村統計によれば
- 生産数 25,000丁・ 職人 約50戸
1916 大正 5 播州で高野式珠削り機(旋盤応用)試作される → 機械珠のはじまり
横田村統計によれば
- 生産高 24,000円 ・ 生産数 30,000丁 ・ 職人 約44戸(男56人・女43人)
1917 大正 6 産業組合 雲州そろばん製作社創立 (問屋・職人合同にて)
1919 大正 8 雲州そろばん製作社に技術伝授所を設ける
水車動力による製材工場を設置する
1921 大正 10 昼間電力も入り、今日の機械の原型のほとんどが設置されており、優秀な神崎式珠削機も開発されていた
1928 昭和 3 東京で第一回珠算能力証明試験と競技会開催される
1937 昭和 12 文部省 そろばんを四ツ珠に決定
雲州そろばん商工組合発足
1938 昭和 13 国定尋常小学校算術(緑表紙)第四学年(下)で珠算必修となる
1942 昭和 17 初等科算数三年(水色表紙)で珠算必修となる
第六期 : 発展期 ・ 機械化と工場制へ
1946 昭和 21 特級品そろばん制始まる 7人が指定を受ける (雲州7人衆と呼ばれる)
1955 昭和 30 各種組合の設立、製造機械の開発が活発化する
1960 昭和 35 協同組合法による雲州そろばん協同組合設立
1961 昭和 36 団体標章 「雲州そろばん」 登録
1968 昭和 43 陰陽珠算競技大会の開催始まる
1982 昭和 57 島根県ふるさと伝統工芸に指定
西日本珠算競技会と改称し開催
1983 昭和 58 協同組合法による横田そろばん生産協同組合設立
1985 昭和 60 通商産業大臣伝統的工芸品指定